種まきと育苗について

種まきから植物を育てて楽しんで見ましょう。小学生の時経験したアサガオやヒマワリは、どちらかと言うと難しい部類に入りますが、多くの草花は比較的容易に芽を出し、育てることができます。

種子の入手と保存

種子を入手する方法としては、店や通信販売などで購入する他か、自分でタネをつけた植物から採取する方法、近所や全国の人たちとの種子交換などがあります。

種苗店や園芸店、ホームセンターなどから購入する場合は、袋に書かれている発芽率や栽培適期、育て方、採取年月日などを見て、自分が育てようとしている時期や技量を考え、古くなり過ぎたタネを購入しないように注意して購入します。

タネをつけた草花から種子を採取することができますが、採った花と同じ色形の花をつけるとは限らず、採取後に直ぐ蒔いても発芽しない場合も多いので、これらの点に留意してタネを採ってください。タネを採る時は、できるだけ乾いた状態で採取し、日陰で乾燥させてから保存します。

草花の種子を例に、大きさなどによって以下のように分類できます。

大粒の種子
アサガオ、ジニア、スイートピー、ナスタチウム、ヒマワリなど直径7~10mmほどのタネで、水に浸して柔らかくしてから蒔くと発芽しやすく、直まきの点まきをする場合が多いです。
中・小粒の種子
サルビア、ニチニチソウ、ベニバナ、モルセナ、ルピナスなど直径3~5mmほどのタネで、箱まきや床まきして、間引きしながら育苗する場合が多いです。
細かい種子
キンギョソウ、ジキリタス、ペチュニア、ポピーなど直径1mm前後の小さなタネで、箱まきで、間引きし、借り植えして十分育苗してから定植する場合が多いです。
変わった形の種子
キンセンカ、ヘリクサム、マリーゴールド、ヤグルマソウなど一般的な丸みのある形以外で、皮が硬かったり毛で覆われてるなどのタネで、水に浸してから蒔く場合も多いです。

これらのタネは、紙袋に入れてから乾燥した冷暗所や、密封容器に乾燥剤を入れて冷所で保存するなど、湿度と高温を避けて保存しますが、大きい種子ほど古くなり過ぎると発芽率が落ちたりするので、種まきの適期が訪れたらできるだけ早く使い切ってしまいます。

種子の発芽条件

秋まき草花などは芽を出してから低温にあわないと花を咲かせないなど、植物の種類によってタネをまく時期に違いがあり、種まき時にも温度、水分、光などの条件による影響と必要に違いがあります。

温度
発芽に適する温度は植物によって違いがあり、一般的な直まきではサクラが散ってから以降になり、気温より地温の影響が大きく、発芽後は気温の影響が大きくなって行きます。室内など暖かい環境で育苗する場合は、定植時の気温が生育に十分になっているか逆算してから、まく時期を決めなければなりません。
水分
発芽には水分は欠かせない要素で、種皮の厚く硬いタネでは予め水に漬けてからまくと発芽がよくなる場合もありますが、まいた後は種子にも呼吸が必要となるので、水のやり過ぎには注意します。初心者は水のやり過ぎでタネを腐らせてしまう場合が多いので、適度な水分量を保つことがコツとなり、細かい種子では流れてしまわないように霧吹きなどで水やりをします。
光と覆土
植物によって発芽に光を必要とする好光性種子と、光が当ると発芽しない嫌光性種子があるので、まく植物種子の性質を理解してから覆土の有無を行ってください。好光性種子の代表はキンギョソウやペチュニアなどで、嫌光性種子ではハゲイトウやニチニチソウなどになります。覆土の厚さも植物によって違いがありますが、一般的には小さい種子ほど薄くなり、細かい種子では発芽まで湿らせた新聞紙で代用する場合もあります。

タネのまき方

直接定植場所か一度容器にタネをまくか、まき場所によって二つに大別されます。

直まき(じかまき)
基本的タネのまき方で、花壇や鉢など定植する予定の場所に直接タネをまき、発芽後は間引きして丈夫な苗を育てます。タネが大きく、発芽後は順調に生育する植物で行われる方法です。比較的簡単に手間が少なく育てることができますが、初期生育の遅い植物などでは逆に手間が掛かります。
箱まき(はこまき)
育苗箱など一度容器にタネをまいて発芽させ、育ててから植えつける予定の場所へ定植する方法です。細かいタネや初期成育が遅い植物、タネをまく時期が発芽適温に達していない時に暖かい場所でまきたい場合などに行われます。病気や雑草などから悪影響を受けやすいので、用土は処理された清潔なものを利用します。手間が掛かりますが、条件に合わせて移動可能で多くの種子で行うことができますが、ダイコンのように移植で問題が起こる植物では行えません。

この他に直まきと箱まきの中間的な、露地に栽培床を作って発芽させ育ててから移植する床まきによる方法もあります。

タネの大きさなどで、まく数や形によっても違いがあります。

点まき
2~5粒ずつ一箇所にまいてから発芽後に間引きして丈夫な1本を育てます。大きな種子の場合に直まきなどで行われます。
条まき(筋まき)
一直線の筋上にタネをまいてから発芽後に間引きして重ならないよう丈夫な株だけを残して育てます。小さい種子の場合に直まき、箱まきの両方で行われます。
バラまき
均等な密度になるようにタネをバラまきしてから発芽後に間引きして重ならないよう丈夫な株だけを残して育てます。細かい種子の場合に箱まきなどで行われます。

間引きと育苗

タネの発芽率が100%であることはなく、タネによって生育にもばらつきがあるので、一度に複数のタネをまいてから生育のよい株だけを残して、丈夫な苗を育てますが、遠慮して多くの株を残そうとすると、全ての株がヒョロヒョロと徒長してしまう危険性があるので、思いきって間引きしましょう。

生育が進んで株の葉が重なり合うようになってきたら、色が濃くて茎が太く葉が大きい頑丈な株を残し、光や風が通るように順次間引きを繰り返しながら丈夫な苗を作ります。

箱まきの場合は、生育が進むのに合わせてできるだけ定植する環境に近い条件の場所に置き、慣らしながら十分な光や風を当て水やり間隔をあけて頑丈な苗の準備を進めます。借り植えする場合には、できるだけ根を傷めないよう手早く丁寧に1本ずつ移植します。

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